新4期鷹見本雄さんの講演が茨城県古河市の文学館で行われ、聞きに参りました。講演では本雄氏の祖父で、『婦人画報』や絵雑誌『コドモノクニ』など先進的で魅力的な出版・編集を手掛けた久太郎氏(1875~1945年、古河出身)の創意と業績などエピソードを交えてお話しされました。以下概要です。尚、文学館では『コドモノクニ』が常設展示されています。


⚫︎幼児のための日本初の高級絵雑誌
『コドモノクニ』は岡本太郎や手塚治虫、いわさきちひろも愛読しており、お噺と絵、読者投稿から成り、グラフィカルで子供の情操を育む意図で創刊されました。この時代では前例の無い芸術性高くモダンな月刊絵雑誌です。北原白秋や野口雨情、西條八十、島崎藤村といった文人・詩人たちと岡本 帰一、竹久夢二、武井武雄、東山魁夷ら多数の一流画家たちが担当。現在の漫画に繋がる要素も併せ持っていたそうです。また「雨降りお月さん」「兎のダンス」など数多くの優れた童謡も生まれました。
⚫︎久太郎氏を育んだ先進性ある鷹見家の来歴
『コドモノクニ』は幼児用でありながら西洋文化と日本の伝統的美が融合され、デザイン性の高い表現となっています。日本初のデザイン文字も生まれました。この先進性は彼の曽祖父である鷹見泉石(蘭学者、古河藩家老)に強く影響されたようです。泉石が海外の絵本や玩具、地図など多数の蒐集を残したことは広く知られています。泉石の曾孫である久太郎はそれらの斬新な事物に囲まれて育ち、高い芸術性と先見性を持っていました。
⚫︎出版は博打である!?
この出版は、かの国木田独歩の独歩社を引き継いだ形で久太郎の東京社が行いました。編集と経営を氏が兼ねており、芸術や幼児教育の質のために稿料を惜しまず、当時は無名に近い赤貧の画家たちが、支払われた桁違いの画料に卒倒したエピソードも伺いました。独歩の遺志を引き継いだものの中々経営が上手くいかず、その起死回生として『皇族画報』を出版したところ大ヒットとなり、その資金で『コドモノクニ』などに取り掛かることが出来たそうです。結論として本雄さんは「出版は博打である」と述べ講演は笑いの中に終了しました。
本雄さんは鷹見家第11代当主で、古河から上野高校に通われていたそうです。兼ねてより『コドモノクニ』の大ファンであった私は、お話しからその比類ない魅力の源が理解できました。講演後は文学館の近くにある久太郎も住んでいた泉石記念館や周辺の石畳通りなど美しい古河の散策を楽しみました。
(新27期 野地朱眞)
図/写真参考URL:
古河市観光協会 https://www.kogakanko.jp/history/senseki
東京新聞デジタル https://www.tokyo-np.co.jp/article/21284
東京国立博物館 https://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=item&id=4275




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新27期 宮本道男 企画部 (月曜日, 27 4月 2026 14:56)
鷹見文雄さんは新4期ですから私たちより、23歳上です。大先輩にお元気に講演していただき本当にありがとうございます。鷹見家は、古河藩の重鎮ですね。